Kindleで本読んどる

Kindleでの電子書籍購入数が200冊を突破したので、SF小説をメインに書評や感想を書き散らします。

Kindle とは

改めて「Kindleって何?」と尋ねられると、多くの方が戸惑ってしまうのではないでしょうか。

あえてひとことで言ってしまうなら、Kindleとは、正確にはAmazon Kindle(アマゾン キンドル)という名称で、世界最大のインターネットコマースサイトのAmazonが提供する電子書籍専用端末、ならびにコンテンツの販売サービスを指す言葉です。意外なほど広範にサービスが展開されているため、全貌がつかみにくいサービスになっていると思います。

そこでここでは、そんなKindleについて簡単な解説をしてみたいと思います。なお、Kindleは頻繁にアップデートのされるサービス群ですので、あくまで本稿執筆時点での情報とお考えください。

端末としてのKindle

Kindle Paperwhite(キンドル ペーパーホワイト)

Kindleと聞いたときに真っ先に思い浮かべる方が多いのがこの電子書籍端末ではないでしょうか。E-inkという省エネに優れ、紙の質感に近く目にやさしい液晶を備えたこの端末は、電子書籍専用端末として最高の使い心地だと思っています。

筆者はこの端末の日本版第一号を予約購入しましたが、お世辞抜きに素晴らしい読書体験をもたらしてくれました。文庫本よりも薄く、軽く、数百冊分のデータを持ち運べ、バッテリー長持ちで充電は週に1度程度で十二分なほど。スマートフォンなどの液晶とは違い、自発光しないので目に優しく、直射日光の当たる屋外でもストレスなく読める。もう絶対に手放したくないガジェットです。

しかし一方で弱点もあります。まずはページ送りが遅いこと。紙のレスポンシビリティには遠く及びません。後から繰り返して読みたい専門書や技術書などはKindle Paperwhiteは向かないでしょう。また、私は活字本しか買ったことがないのでわからないのですが、1ページあたりにかける時間の少ない漫画もあまり気持ちよく読めないらしいです。また、白黒ですのでカラー写真の入ったコンテンツにも向きませんし、ウェブブラウズにも不向きです。

ざっくり言ってしまえば、活字中毒者専用端末といったところでしょうか。

なお、Paperwhiteは10,280円ですが、もうひとつ下のモデルとして6,980円のエントリータイプもあります。

Kindle Paperwhite

Kindle Paperwhite

 

 

Kindle Fire(キンドル ファイア)

KindleのタブレットバージョンがKindle Fireシリーズです。最新版では「Kindle」の名称が外れ、単に「Fire」となりました。

高性能で低価格なタブレットで、コストパフォーマンスがよいのですが、一方でAmazonに最適化したカスタマイズが施されているため、Kindleストアで提供されるアプリやコンテンツしか利用できないという欠点があります。Androidベースですので、Google Playのアプリくらいは利用できて欲しいものですが、残念ながらそれは不可能です。

普及台数もそれほど多くないため、アプリ方面ではソフト不足が否めないでしょう。Fireを買うのであれば、Kindleストアで購入できる映画やアニメ、書籍や雑誌などを楽しむためのものだと割りきった方がよいと思います。iPadなどの一般のタブレットを購入するイメージで買ってしまうと後悔は避けられないでしょう。

 

Fire HD 7タブレット―8GB、ブラック

Fire HD 7タブレット―8GB、ブラック

 

 

Kindle Voyage(キンドル ボヤージ)

2014年9月19日に発表された電子書籍専用端末の最新版です。Kindle Paperwhiteの上位機種と言えるでしょうね。私は思わず予約をしてしまいましたが、世間では「白黒のE-ink端末で2万円超えなんて高値すぎる」という声が多かったようです。

しかし、考えてみてください。2万円は確かに安くない出費ですが、この手のものって2年程度は使うわけです。700日以上は使うわけですね。日割りしてみればわずか30円程度。缶ジュースよりもはるかに安い値段です。そう思えば、わずかそれだけの出費で読書体験がぐんと向上するならその程度の出費を惜しむほうがもったいないわけなのですよ。

Kindle Voyageにおいて変更・進化した複数あるのですが、私が注目しているのはページ送りまわりの進化のみです。その部分だけスイスイになってくれたら、私はもうそれ以上求めるものはありませんので(笑)。

 

Kindle Voyage―Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデル

Kindle Voyage―Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデル

 

 

Kindleアプリ

Kindleのコンテンツを楽しむには、専用端末が必須なわけではありません。iOS向けにも、Android向けにもKindleアプリがリリースされていますので、お手持ちのスマートフォンやタブレットでもKindleのコンテンツを楽しむことができます。

わざわざ専用端末を購入する人はまれかと思いますので、おそらくほとんどのKindleユーザーはアプリ経由なのではと予想。私のスマホにもKindleアプリが入っています。しかし、スマホのちっちゃい画面で読書をする気になれないのでほとんど放置状態。

なお、海外ではPCで使えるアプリも公開されているのですが、日本では権利関係が難しいのかいまだに実現されていません。先日、ようやく雑誌と漫画の読めるPC向けアプリが日本でも公開されたそうなのですが、両方とも私が手を出さないコンテンツなのでまったくありがたくない……。

PCに向かって書評を書いたり、企画書用に引用したりしたいときはPCで見られた方が絶対に便利ですので、早く日本でも解禁されて欲しいですね。

コンテンツプラットフォームとしてのKindle

Kindle向けのコンテンツは基本的にはamazon内にある「Kindleストア」で入手できます。取り扱っているコンテンツは電子書籍の他に雑誌やビデオ、Fire向けのアプリケーションも。もはやデジタル蔦屋状態ですね。

電子書籍

書籍のECとしてスタートしたamazonですから、やはり真っ先に思い浮かぶのが電子書籍でしょう。一昨年の日本版開始時には品揃えが少々さびしいように感じましたが、日に日に取り扱いを増やしており、いまでは「読みたいものが見つからない」ということはかなり減ったように感じています。

まあ、古いSF小説をもっとKindle化して欲しいとか、購入済みの本をリストから消せるようにして欲しいとかそういう要望はあるんですが。「リングワールド」とか「竜の卵」とか、何度Kindle化リクエストボタンを押していることか……。

不満ついでに書いてしまいますと、新刊はまず紙で出して、数週間から数カ月遅れて電子書籍化する出版社があるのも不満なところです。こっちはもう紙の本を増やしたくないんだよう。

Amazon Fire 対応アプリ・ゲーム

なお、電子書籍には青空文庫のデータもひと通り収蔵されているので、著作権の切れた作家の名作を無料で楽しむことも可能です。

Amazonインスタントビデオストア&オーディオ

私は一度も利用したことがないのですが、動画配信もがんばっているみたいです。新作もじゃんじゃん配信されているイメージ。

この領域はTSUTAYAや楽天、DMMなどもしのぎを削っておりますが、果たしてどこが勝者となるのか見ものです。どこも利益は出していると思うので、ウィナー・テイク・オールとはならないでしょうけれど。

Amazon Fire 対応アプリ・ゲーム ストア

Fireで使えるアプリを扱うストアです。

ごめんなさい、Fire持ってない(し、買う気もない)からよくわからない……。

ざっと見る感じでは、iOSやAndroidで人気の定番アプリの移植版はある程度そろっている模様。がんばって誘致しているんでしょうね。まあ、Fireを買った人はここのお世話になるんだと思います。

締めのひと言

さらっとKindleについて大枠を解説するつもりがクソ長くなってしまったんですがなんでしょうかこれは。

最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。