「天地明察 特別合本版(冲方丁)」の感想 重厚さと軽妙さを兼ね揃えた珠玉の歴史小説
作品名 | 天地明察 特別合本版 |
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著者 | 冲方 丁(うぶかた とう) |
ジャンル | 歴史小説 |
出版元 | 角川文庫 |
評価 | 5点:★★★★★(全力でおすすめ) |
対象年齢 | 中学生以上 |
おすすめの人 | 時代考証のしっかりした歴史物が好きな人。山本周五郎作品のように心の機微が描かれた作品が好きな人。 |
昨日の「アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス)」の記事で「都市と星(アーサー・C・クラーク)」を同レベルの傑作として持ち上げたましたからそれを取り上げようかと思ったのですが、ちょうど昨日読み終えた「天地明察」も相当に面白かったので読了直後の熱が残っている間に感想を書いちゃおうと思いました。
続きを読む「アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス)」の感想 文句なしに泣ける名作
作品名 | アルジャーノンに花束を |
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著者 | ダニエル・キイス |
ジャンル | SF |
出版元 | 早川書房 |
評価 | 5点:★★★★★(全力でおすすめ) |
対象年齢 | 中学生以上 |
おすすめの人 | あらゆる人 |
「面白いSF小説を教えろ。つまらなかったら殺す」ともし仮に脅迫を受けたとしたら紹介するのがこの1冊です。「都市と星(アーサー・C・クラーク)」も捨てがたいけれど、確実に誰が読んでも最高に面白いものを挙げるならこっちかなと。
続きを読む「変種第二号(フィリップ K ディック)」の感想 切れ味鋭いオチばかりの傑作短篇集
作品名 | 変種第二号 |
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著者 | フィリップ K ディック |
ジャンル | SF |
出版元 | 早川書房 |
評価 | 3点:★★★☆☆(おすすめ) |
対象年齢 | 中学生以上 |
おすすめの人 | 古典SFに手軽に触れてみたい人。星新一のショートショート集のような切れ味のよい短篇集が読みたい人。 |
フィリップ K ディックといえば、SFファンなら知らない者はいない巨匠中の巨匠です。彼の作品を原作としたヒット映画も多く、ディックの名を知らない人でも「ブレードランナー」、「トータル・リコール」、「マイノリティ・リポート」などの原作を書いた作家だといえばそのすごさが伝わるのではないでしょうか。
ディックの何がすごいかといえば、1950年代から活躍しているにも関わらず、いま読んでも面白さが損なわれていないところです。科学を題材とするSF作品の宿命として、時代を経ると現実のほうが作品の科学技術を追い越してしまって面白さが失われてしまうところがあるのですが、ディックの作品の多くはそうした問題とは無関係に面白さを保っているように感じられます。センス・オブ・ワンダーだけではなく、テーマやストーリー自体に魅力があるんですね。
さて、本作「変種第二号」は短篇集となっております。収録作品は以下の9つです。
- たそがれの朝食
- ゴールデン・マン(映画化名「NEXT―ネクスト―」)
- 安定社会
- 戦利船
- 火星潜入
- 歴戦の勇士
- 奉仕するもの
- ジョンの世界
- 変種第二号(映画化名「スクリーマーズ」)
すべてを紹介していると結構なボリュームとなってしまいますので、私がとくに気に入った2作品について取り上げます。
まず1つ目は「戦利船」。地球人類がガニメデ人と戦争をしている渦中の話です。ガニメデ人から鹵獲した奇妙な船が、どうもタイムマシンらしいと見当をつけます。もしそれが本当であれば苦しい戦況を一気に覆せます。しかし、試しに運転してみるとたどり着いたのはまるでお伽の国。小人に襲われたり、巨人に捕獲されそうになってほうほうの体で逃げ帰ります。果たしてこの「戦利船」の正体とは……。
こんな話なんですが、オチがもうとにかく秀逸。思わず膝をポンと叩きたくなるSF的回答が用意されています。きっと「やられた!」と叫んでしまうことでしょう。
2つ目は表題にもなっている変種第二号。アメリカ合衆国とソビエト連邦の間で起きた泥沼の戦争。その末期が舞台です。こうした設定はいかにも古典SF的ですね。この作品が欠かれたのは1953年ですが、そのわずか三十数年後にソ連が消えてなくなるなんて、どんな作家にも想像できなかったでしょう。
一時は苦境に立たされ、月面基地までの後退を余儀なくされたアメリカ軍でしたが、新兵器「クロー」の投入によって戦況は逆転しています。「クロー」はAIを備えた戦闘ロボットで、地雷のように隠れて通りがかる兵士を待ちぶせたり、きっかけを見つけては地下壕に殺到して立てこもった兵士を虐殺する。自律的な改良が可能で、ソ連軍との戦闘を通じて加速度的に進化を遂げました。
はい、SFファンであればこの辺でピンときますね。「クロー」はターミネーターにおけるスカイネット的な発展をするんです。いかにもいびつな戦闘機械ではなく、人間の子どもや負傷兵に化けた外装を得ており、主であるはずのアメリカ軍でさえもはや「クロー」の全貌がつかめていません。一体誰が「クロー」なのか、疑心暗鬼に陥りながら主人公であるアメリカ軍人と、敵であったはずのソ連兵が繰り広げるサスペンス。そして鮮やかなラスト。うーん、隙がない!
各作品が発表された背景などを編集者が解説したあとがきもじつに興味深く、ディックファンならあとがきだけでも一読の価値があるのではと思います。
「屍者の帝国(伊藤計劃,円城塔)」の感想 ゾンビが労働力と化した世界のスチームパンクSF
作品名 | 屍者の帝国 |
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著者 | 伊藤計劃(いとう けいかく)、円城塔(えんじょう とう) |
ジャンル | SF |
出版元 | 河出書房新社 |
評価 | 3点:★★★☆☆(おすすめ) |
対象年齢 | 中学生以上 |
おすすめの人 | 冒険風味の入った軽めのスチームパンクが好きな人。オカルトとSFの狭間みたいな作品が好きな人。 |
「虐殺器官」で彗星のようにデビューし、「ベストSF2007」「ゼロ年代SFベスト」でいずれも国内篇第1位を獲得した夭折の天才伊藤計劃。彼が遺した原稿用紙わずか30枚の遺稿を円城塔が書き継いで完成させた1冊です。こんな奇妙な来歴の本はあまり例を見ないのではないでしょうか。
amazonなどのレビューを見ると、一部の伊藤計劃ファンからは「こんなの伊藤計劃じゃない」と酷評をされている模様です。私は伊藤計劃の遺した長編3作のうち、「虐殺器官」と「ハーモニー」しか読んでおらんのですが、まあ確かにあまり伊藤計劃の作風ではないな、と感じました。
「虐殺器官」「ハーモニー」の両作が現実と地続きの近未来を舞台とし、民族紛争などを扱ったリアル志向なのに対し、本作「屍者の帝国」はファンタジックな設定を基礎としたパラレルワールド的世界観。なんにも言われなければ伊藤計劃の作品とは気がつかないんではないでしょうか。
んー、しかし、これを「伊藤計劃の作風ではない」といって切り捨てるのはちょっと違うような気も。34歳という若さで亡くなりさえしなければ、いろいろと新しい作風にチャレンジしていったでしょうし、この「屍者の帝国」を伊藤計劃が最後まで書き上げていたとしてもやはりそれまでの「伊藤計劃的なるもの」にはならなかったんではないかなあと個人的には思います。
それはともかく、「屍者の帝国」です。舞台は19世紀末。作品世界ではフランケンシュタイン博士が実在をしており、彼が遺した研究成果によって死体を蘇生させ労働力として使役することが当たり前になっています。平たく言えばゾンビですな。ゾンビの御者、ゾンビの兵士、ゾンビの召使などが当たり前に使われており、「死体の生産」などという物騒な懸念も当然ながら生じている世界です。
現代に生きる我々からすれば極めてグロテスクな社会でありますが、作中の人々はもはや慣れっこであり、登場人物が使役される死体を見て嫌悪感を表明することはほとんどありません。魂の存在が質量を伴うものとして認知されている世界ですので、それが抜けてしまった肉体はもはやただの資源・資材として分別されるのも致し方ないのかもしれませんが、いくらそんな世界であったとしても人類の価値観がそこまで大きく変わってしまうものなのかなあという違和感は最後まで拭えなかったです。
そんな得体の知れない気持ち悪さはあるものの、作品自体は所謂冒険小説のノリです。フランケンシュタイン博士が最初に作った怪物「ザ・ワン」の行方を追い求め、各国の諜報機関や政治勢力と絡み合いながら世界を股にかけての大冒険。その道程に日本が含まれているのは読者に向けたサービスでしょうか。薩摩自顕流の剣豪が金属製の錠だろうが達人ゾンビだろうが構わずぶった切るのでやっぱり薩摩隼人は強いんだな、と思いました。
曰くありげな出版の経緯からなにやら重厚なテーマの存在を予想して身構えてしまう本作ですが、小難しいことは考えずエンターテイメントとして素直に楽しめる1冊です。もし「何やら小難しそうだなあ」と思って敬遠されている方がおられましたら、「いや別にそんなことないっすよ。質の高いエンタメっすよ」と軽く返しておすすめしたい作品です。
「バビロニア・ウェーブ(堀晃)」の感想 コアなハードSFファンに全力でおすすめする1冊
作品名 | バビロニア・ウェーブ |
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著者 | 堀 晃(ほり あきら) |
ジャンル | SF |
出版元 | 創元SF文庫 |
評価 | 3点:★★★☆☆(おすすめ) |
対象年齢 | 高校生以上 |
おすすめの人 | もうとにかくカッチカチのハードSFが好きな方 |
カッチカチやで!(ザブングル)
前回も同じ著者の作品「遺跡の声」を取り上げました。それについてもハードSFと形容しましたけれど、本作はそれ以上にカッチカチのハードSFです。最後まで読み進めるとわかりますが、テーマは宇宙の構造そのもの。銀河はなぜ渦上に回転しているのか、そういったまあ普通の人なら日常的に考えることなどない疑問に大胆なフィクションを用いて回答をしています。
うおお、なんだこれは。くそ面白い。心臓がバクバクする。さすがは日本SF会のアカデミー賞、星雲賞の受賞作品やで。
ちょっと話が逸れるのですが、そんなに面白いと言って持ち上げているのにどうして評価を3点にしているのか、というお話。そのうちこのブログにおける評点の定義をちゃんとまとめとかなきゃなあと思うんですが、これは「私が友だちにおすすめの小説を尋ねられたときにおすすめする順」のつもりでつけています。例えばこの「バビロニア・ウェーブ」や、夢野久作の「ドグラ・マグラ」。ラブクラフトのクトゥルフ神話につらなる物語は個人的には大好きなのですが、とてもとても万人におすすめできるものではありません。
そんなわけで、このブログでは評点が高いほどエンタメ性が高く、読みやすいものだとご理解ください。評点がそのまま私の考える作品の質を示しているものではございません。
閑話休題。
本作の表題でもある「バビロニア・ウェーブ」とは、銀河系を貫き減衰することなく往復を続ける、直径1万2千キロ、長さ5380光年にも及ぶ巨大なレーザー光線です。はじめて観測した宇宙飛行士が、「この光はバビロニア文明よりも古いんだなあ」とつぶやいたところから命名されたもの。なるほど、洒落ておりますな。
バビロニア・ウェーブは太陽系からわずか3光日という近距離で見つかりました。相対位置も出力も一定で、太陽の何十倍ものエネルギーを持つ指向性のレーザーです。エネルギーとしてこれほど理想的なものはなく、バビロニア・ウェーブ内に反射鏡を設置することで人類は無尽蔵のエネルギーを手に入れました。よかった、化石燃料の枯渇も原子力の暴走もなかったんや。
そんな人類薔薇色の時代にありながら、主人公であるマキタはぼんやりとした不満というか、消化不良な気持ちを抱えています。マキタの生まれは人類最初で最後のスペースコロニーです。巨大太陽光発電所として建造され、その後も同種の発電所が無数に製造されるはずでしたが、バビロニア・ウェーブの発見と応用によりそれらの計画は無に帰しました。唯一のスペースコロニーも無重力工場に改造されてしまい、マキタの故郷は宇宙のどこにも存在しなくなってしまいました。国破れて山河ありと申しますが、マキタにはその山河すら存在しない。なんという孤独か。
スペースコロニーの遠心力がもたらす人工重力下で育ったマキタは、地球の重力にもなじめず、それどころか太陽系の重力さえ嫌って太陽系の外側へ、外側へと逃れるように任務を求めます。この辺りは「遺跡の声」にも共通するところですね。筆者自身が地球のしがらみから逃れたいのかもしれません。
そのマキタがバビロニア・ウェーブの間近にある基地に赴任して、研究員たちが行う研究を付かず離れずの立ち位置で眺めながら、まるで意志を持っているようなバビロニア・ウェーブの不可解な挙動に巻き込まれ、そして物語のラストでは希望がかなって人類中最も地球から離れた人間となるのです。
あー、これね。めっちゃぼやかしたよ。ネタバレじゃないと思うよ。
この本は、ハードSFと聞いて何のことやらわからない人や敬遠したい気持ちになる人は手を出すべきではありません。絶対読了せずに放り出します。
逆に言えば、三度の飯よりカッチカチのハードSFが好きな方や、普通の人はまず知らない科学用語がやたらに並んでいる光景を愛する人には全力でおすすめできる1冊です。
同じく堀晃の「遺跡の声」のレビューは以下からどうぞ。
「遺跡の声(堀晃)」の感想 宇宙遺跡調査員の寂寥感に満ちたハードSF
作品名 | 遺跡の声 |
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著者 | 堀 晃(ほり あきら) |
ジャンル | SF |
出版元 | 創元SF文庫 |
評価 | 3点:★★★☆☆(おすすめ) |
対象年齢 | 高校生以上 |
おすすめの人 | 「星を継ぐもの」や「太陽の簒奪者」のような、すっきりしない物が残るファーストコンタクトものが好きな人 |
SF小説を主体に紹介していくと言いながら、はじめてハードSFのご紹介です。この「遺跡の声」をハードSFと分類するとコアなSFファンからは異論がありそうですけれども。
というのも、この作品では光速の限界が突破できているのです。SFとはサイエンス・フィクションの略でありまして、邦訳すれば空想科学小説。その名の通り、科学をテーマに据え、だいたいの作品では宇宙や時間が重要な要素として扱われます。そうなると切り離せないのが相対性理論の縛りでございまして、光速の壁は超えられるのか、時間逆行はあり得るのかなどといった問題はSF作家ならみな取り扱いに苦労している点ではないかと思われます。
まあ、そんなマニアックな話はさておきまして。
このお話の主人公は愛妻を太陽で亡くしております。妻は優秀な太陽研究者だったのですな。太陽フレアに呑み込まれて死んだ妻の悲しい思い出から逃れたくて、妻が焼かれたであろう瞬間の太陽光に背を向けて銀河辺縁に向けて光速以上の速度で離れつつ、かつて滅びた宇宙種族の文明遺跡を調査しているのです。
うむ、背景からして実に暗い。
そんな主人公の相棒トリニティはなんと結晶生命体。宇宙遺跡の調査行の途中で彗星から拾いだしたものなのでありますが、これもまた種族最期の生き残り。孤独な主人公が孤独な結晶生命体にさまざまな知識や感情を刷り込み「子育て」をしていくさまは、なんというか実に哀れで物悲しい。
本作は連作短編の形をとっておるのですが、どの章も微妙な余韻を残すものばかり。その放り出されぶりが主人公の孤独と相まって不思議な読後感を残します。
宇宙の果てに向けてぽいっと捨てられて、何もない宇宙をただぼんやりと漂ってみたいなあというアレな欲求をおぼえたことのある方におすすめしたい1冊です。
「All You Need Is Kill(桜坂洋)」の感想 ハリウッド映画化を果たしたSFライトノベル
作品名 | All You Need Is Kill |
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著者 | 桜坂 洋(さくらざか ひろし) |
ジャンル | SF |
出版元 | 集英社スーパーダッシュ文庫 |
評価 | 4点:★★★★☆(かなりおすすめ) |
対象年齢 | 中学生以上 |
おすすめの人 | 「宇宙の戦士」や「スターシップ・トゥルーパーズ」のようなSF肉弾戦争物が好きな方。「虐殺器官」が好きな方にも合いそう。 |
「集英社スーパーダッシュ文庫」と言われると30過ぎたおじさんとしてはたいへん手を伸ばしづらくなってしまうのですが、「ハリウッド映画化された」みたいな免罪符があると買いやすくなりますね。今回は、トム・クルーズが主演で全米が泣いた「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の原作、「All You Need Is Kill」の紹介です。
物語の舞台は異形の地球外生命体「ギタイ」に侵略され、人類が必至に抗いながら徐々に追い詰められている近未来。大口径の弾丸をも跳ね返す強固な外皮を持つ彼ら(?)に対抗するために開発されたのは戦闘用杭打ち機。ギタイと戦う兵士は機動ジャケット(パワードスーツ)に身を包み、その杭打ち機に手にした近接戦を強いられています。
日本、本作中ではジャパンと呼称されておりますが、そこは機動ジャケットの重要部材を生産している人類の最後の命綱。ついにそこまでギタイどもに押し込まれ、ギリギリの戦場へ初年兵として送り込まれたのが主人公のキリヤ・ケイジです。トム・クルーズ演じる映画版だとウィリアム・ケイジ、だそうで。
そんな過酷な戦場で、実戦経験ゼロのキリヤはあっさり死亡。人生の最期を戦場の牝犬(ビッチ)と呼ばれる伝説の美人戦闘狂リタ・ヴラタスキに看取られたのが唯一の救いでありましょうか。人生も短ければ物語も短かった。合掌。
って、それで終わってしまってはこんな人気作品になるわけもなく。自他ともに認める死を迎えたキリヤ・ケイジは、2日前の時をさかのぼって復活します。なんだ夢オチかよと思ってまた出撃すると死ぬ。そしてまた2日前に生き返る。なんだこれはと思って逃げ出してみても死ぬ。生き返る。自殺しても2日前に生き返る。無限ループ怖いです。
死にまくっていい加減キレてしまったのか開き直ったのか、このループから抜け出るためにはあの絶望的な戦場を生き抜くしかないと悟ります。幸か不幸かこちらは残機無限のマリオ状態。繰り返し繰り返し死にながら経験を積み、最強の兵士として成長していきます。
その過程で同じく別のループにハマっていたリタ・ヴラタスキとも戦友となり、弾数に限りがある杭打ち機を捨て、巨大な戦斧を振り回して戦うスタイルに変更。斬っては死に、斬っては死にを繰り返し、ついに生き残った……と思ったら、なぜかわからないけれども2日前に戻されるという。何だこのクソゲーは。
どうしてこんな羽目になってしまったのか、それは物語を読んでからのお楽しみということでひとつ。
All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 桜坂洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/04/05
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ハリウッド映画版はこちら。
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漫画にもなっている模様です。
All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 桜坂洋,竹内良輔,安倍吉俊,小畑健
- 出版社/メーカー: 集英社
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